フリーランスという働き方に、憧れを持つ人は多い。
時間や場所に縛られず、自由に働けるイメージも強い。
しかし、実際にその立場を長く経験してみると、
フリーランスは決して「楽」でも「おしゃれ」でもない働き方だと感じるようになった。
この記事では、フリーランスと会社員の両方を経験した立場から、
それぞれの現実と向き・不向きについて整理していく。
出来高制の魅力
フリーランスになった当初は、出来高制の働き方に大きな魅力を感じていた。
まだ業界全体の単価が高かった時代で、やった分だけ収入になる。
多い月には、100万円を超えることもあった。
決まった時間に出勤して働くことに魅力を感じられず、
好きな時間に集中的に作業し、それ以外の時間は自由に使う。
夜に出歩いたり、飲み歩いたりしても、仕事さえ終わっていれば問題はなかった。
以前、上司との折り合いが悪くなり会社を辞めた経験もあり、
来客対応や電話応対といった業務に強いストレスを感じていた私にとって、
フリーランスという働き方は、当時の自分にとても合っていた。
フリーランスの良かったところ
仕事をきちんとこなしていれば、細かいことを言われない。
納期さえ守っていれば、生活リズムも自由だった。
寝坊しても、夜更かししても、自分で責任を取れば成立する。
成果がそのまま収入に反映される点も、分かりやすく、やりがいがあった。
現実はずっと大変だったこと
一方で、収入は常に不安定だった。
仕事がなければ、当然収入もない。
不安定な月が増え、アルバイトで収入を補う時期も長くなっていった。
さらに病気をして、半年ほど仕事ができなくなったことがある。
その時に受け取った生命保険のお金も、生活費ですぐに消えてしまった。
業界全体の仕事量が減ると、デザイナー同士で仕事の取り合いになる。
フリーランス同士は基本的にライバルで、気軽に相談できる相手はいない。
取引先に弱音を吐けば、仕事量や単価に影響が出る可能性もある。
税理士や会計士に相談するにも費用がかかり、
結局はすべてを自分一人で考え、判断し続けなければならなかった。
アラフィフになって流れが変わった
例の感染症の後は、仕事が減り、作業量に対してギャラは下がり、
収入は少しずつ減っていった。
このまま業界全体が縮小すれば、
自分も仕事を失うのではないかという不安が現実味を帯びてくる。
この先を考えた結果、
人生の賭けとして、IT業界へ転職する決断をした。
会社員に戻って驚いたこと
会社員に戻って、まず驚いたのは、
勉強している時間にも給料が発生するという点だった。
すべてを一人で決めなくていい。
分からないことは人に頼れる。
組織の中にいることの安心感は、想像以上に大きかった。
その一方で、人間関係の煩わしさはやはり存在する。
また、年齢の高い未経験者が特別に優遇されることは、ほとんどない。
そこは現実として受け止める必要があると感じた。
フリーランスが向いている人・向いていない人
向いている人
- 自分で考え、行動できる人
- 判断を他人に委ねずに決断できる人
- 社交的で、人と話すことが苦にならない人
- 自己管理ができる人
向いていない人
- 常に不安を抱えやすい人
- 指示がないと動きにくい人
- 役割分担された環境で作業したい人
まとめ:フリーランスは心構え次第
フリーランスは、心構え次第で楽しくもなり、苦しくもなる。
ただし、営業力のないフリーランスは、いずれ仕事がなくなる。
フリーランスは、決しておしゃれな働き方ではない。
確かに、朝は好きな時間に起き、
集中できる時間帯に、好きなだけ仕事をすることはできる。
しかし、取引先や客先がある以上、
常に自分の都合だけで動けるわけではない。
急な修正依頼や、相手のスケジュールに合わせた対応が求められることも多く、
実際には「お客様第一」で行動しなければならない場面が少なくない。
いわゆるノマドワーカーのように、
場所や時間に縛られず自由に働きたいと考えているのであれば、
フリーランスという働き方は、必ずしも適しているとは言えない。

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